越後もたい看板店作 大黒様の顔ハメ看板。リアル感あふれる力作だ。

 全国の顔ハメ看板の製作を手掛ける「越後もたい看板」のもたい貴秀さんは、「ここ10年くらいの間によくマスコミなどに取り上げられるようになった。背景には携帯カメラの普及があるのでは」と説明する。

 最近も日本テレビが「ミリオンダイス」“ベッキーが行く日本列島・顔出しパネルの旅!”を放映し、話題を呼んだ。

 こうした動きにあやかろうと、全国の観光協会などが顔出し看板を次々に設置。わざわざ除幕式を行うところもあるほどだ。

 中でもウケているのはコンピュータで製作したものではなく、手描きのレトロ風のもの。ここ10年ほど昭和レトロブームが続いているが、顔ハメ看板にほのぼのとした昔懐かしさを感じる人は多いのかもしれない。

「普通は顔を出して写真を撮りあい、土産話の種にするわけだけど、ときどき看板だけを撮影していく人がいる。一発でマニアとわかるね。中には、“マイ看板”を製作してほしい、という人までいるよ」(もたいさん)

顔ハメ看板の原点は
新婚旅行のメッカにあった!?

 そもそも顔ハメ看板は、いつ頃誕生したのだろうか。

 国内第1号は、小説「金色夜叉」の舞台、熱海の「貫一・お宮」という説がある。熱海といえば高度経済成長期における新婚旅行、家族旅行のメッカだ。

 カップル、家族のレジャーといえば旅行。旅行といえば記念撮影。記念撮影のスポットには顔ハメ看板――というわけで、顔ハメ看板はレジャー旅行の普及とともに、全国に広がっていったのだろう。

 ちなみに古びた顔ハメ看板に遭遇すると、そこに「フジカラー」のロゴを発見することがある。マニアの間では「一時期、『写ルンです』の販促ツールとして、富士フイルムが大量に製作したらしい」とのうわさも。

 さっそく富士フイルム広報部に確認すると「会社として製作した事実は確認できない。営業所が独自にお土産屋さんなどに提供していたのでは」という回答だった。