子育て世代にも参考になる
バリアフリー情報

  筆者も試しに、中華料理店「風の音」のバリアフリー情報を投稿してみた。数十秒で簡単に投稿できるため、煩わしさは全く感じなかった。アプリには16年6月現在ですでに約1万8000件(飲食店以外の施設等も含む)の情報が登録され、今後も続々と増えていく見込みだ。

 アプリのバリアフリー情報は、車いす利用者や障害者だけに有益なわけではない。例えば、静かか、明るいか、障害者や高齢者に適切なサービスが提供されているかなどは、一般的な高齢者にとっても関心のある情報だろう。あるいは、入口の段差数や店内がフラットか、通路の幅は十分かなどは、ベビーカーを使う子育て世代も知りたい情報だ。国内の高齢者は約3200万人、ベビーカーの使用が想定される3歳未満の子どもは約310万人もいる。

「バリアフリー設備を整え、Bmapsでその情報が発信されることによって、障害者だけでなく、高齢者や子育て世代からも選ばれる可能性が高まる。まだバリアフリー化に本格的に取り組む飲食店は少なく、先行して着手することは、他店との差別化、ビジネスチャンスの拡大につながる」と、ミライロの垣内俊哉社長は話す。

「シニアマーケットを狙え」と声高に言われ続けている昨今だが、飲食店の現状を見ると、リタイヤした世代向けに昼食宴会を充実させるなどが関の山。その程度では、本格的な対応には全く不十分だ。バリアフリー化という新たな視点で取り組めば、隠れていた需要を掘り起こせる。バリアフリー化を義務的、社会貢献的発想ではなく、ビジネスで有利に立つ「武器」と捉えることによって、飽和状態の外食産業でも、活路は見えてくるのではないか。

(大来 俊/5時から作家塾(R)