上田 今回のテーマは「日本の大学」についてです。まず、世界における日本の大学の位置づけを確認しておきましょう。
右の表はイギリスの大学情報誌「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション・サプリメント」が発表した世界の大学ランキングです。これを見ると、東京大学が17位、慶応大学が161位、早稲田大学が180位にランク付けされています。この結果を見て、どう思われますか?
竹中 私が教鞭を執っている慶応大学は去年120位で、今回はトップ100入りを期待していたのですが、残念ですね。ちなみにトップ100に日本の大学は4校ランクインしています。
上田 日本の大学はもっと優秀なのかと思っていました。ちなみにこの評価の基準はいったい何ですか?
竹中 具体的には6つの分野について評価されています。「引用論文数」などの客観指標と「専門家の意見」という主観的な指標をミックスして評価するのがポイントです。客観的な数字だけでは偏ってしまうので主観的な判断を混ぜるのですが、そうなるとどうしてもアメリカやヨーロッパの専門家の意見が増え、その地域の大学が圧倒的に有利になってしまう。だから、客観指標だけで判断すれば、日本の大学のランクはもう少し上がるでしょう。