「仕分け」対象大臣?

 政権交代から約1年しか経っていないにもかかわらず、民主党政権への期待はすっかりしぼみつつある。これまでを振り返るまでもなく、ごく最近も、中国に不器用に拳を振り上げたまま腰砕けとなって、那覇地検に尻ぬぐいをしてもらっている面々が「政治主導」などと言っているのだから、国民も怒りを通り越して脱力する。

 民主党代表選が終わって内閣改造が行われたが、世間の話題は新内閣のメンバーではなく、役職を外れ「一兵卒」を自称する小沢一郎氏であり、彼の側近の動向の方だった。いくら何でも、新任の大臣はもっと話題になるのが普通だった。

 各社の調査で60%を超える内閣支持率が出たが、この数字も首相個人や新内閣への支持や期待というよりも、「脱小沢」への喝采が嵩上げしただけのものだろう。今後、小沢氏の動きが目立たなくなるにつれて、これまでの数個の短命内閣同様、一ヵ月に10%程度のペースで内閣支持率は低下するのではないか。

 この菅改造内閣の中で、注目してみたいのは海江田万里経財相だ。辞令にある正式な表記は「内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)」で、内閣府で執務することになる。尚、同氏は特命担当大臣として科学技術政策、宇宙開発担当大臣も兼務する。海江田氏はグループとしては鳩山由紀夫氏のグループに属するものの、代表選では自ら立候補する意向を取り下げてまで小沢氏支持に回った、閣内唯一の明白な小沢支持者だ。

 率直に言って、何に注目するかというと、現在の状況で、海江田大臣に一体何が出来るのかだ。随分意地悪な見方で恐縮なのだが、現状では、具体的に何に関わることが出来るのかが見えていない。