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優秀な新卒の7割は女性?
本気で登用しないと企業は勝てない時代

――IBMが感じた危機感と、女性リーダーたちの声

大河原克行
【第119回】 2016年7月15日
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やはり重要な女性リーダーの抜擢

パネルディスカッションに登壇した
ABBのピーター・ヴォザー取締役会会長

 唯一男性のパネラーとなったABBのピーター・ヴォザー取締役会会長は、シェルでダイバーシティに取り組んできた実績があり、当時、約5割を女性役員とした。また、女性の活躍を推進するNPOのカタリストでもリーダーシップを発揮している。今回は次のように述べた。

 「エンジニアリングの企業において、女性のシニアリーダーシップを4~5割にしたいといっても、理工系の女子学生は15~20%しかいない。企業や国ごとに現実的で、妥当なターゲットを設定しなくてはならない。ただ、女性の活用をターゲットやノルマという観点からだけで取り組むのではなく、ダイバーシティは業績向上につながるのは明らかであり、社員のモチベーションも上げることができるという点を理解しなくはならない。

 また、実践をするためには、女性にリーダーとして参画することを促進し、それを支援しなくてはならない。男性は、前向きに仕事を受けるが、女性も前向きに仕事をとっていく姿勢が必要である。そして、その模範を示したり、業績をどう測定するのか、女性のシニアリーダーシップのポジションのなかで、正しく測定するにはどうするかといったことも考えなくてはいけない」

 また、米IBMコーポレーションのジニー・ロメッティ会長兼社長兼CEOは、次のように語った。

 「IBMは、ビジネスの優先課題として、女性の活躍を推進している。これはいまに始まったことではなく、1934年には、同じ職であれば、男女変わりなく同じ給与を支払っており、女性の市民権運動が開始される11年前には平等権利を訴えた。日本でも男女雇用機会均等法が開始される20年前から女性の大卒者を採用している。

 日本IBMでは、内永ゆか子さんが初の女性研究所長に就任し、浅川智恵子さんは、IBMフェローとなり、有名な科学者のひとりとなっている。こうした方々がロールモデルとなっていることが、IBMの強みである。

 課題は、女性が働く上で障害となることを取り除くことである。女性が子供を産むと6割が退職してしまうというが、日本IBMでは、女性社員の6割が子供を持っている社員。託児所を設置したり、在宅勤務を導入したりといったことにも取り組んできた成果である。育児や家事をするために、体系だった形で提供することが大切である。女性をやめさせてしまうことは損失である。女性が働き続ける環境を維持することで、価値をもたらすことができる」

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