「便が出そうで出なくなった。お腹の張りもおかしい」
まさかの大腸がんがみつかった
機械メーカー部長Uさん(53歳)

中国出張から体調を崩し、
激しい下痢から脱水症状に

 Uさんは入社以来、ずっと機械メーカーの営業畑を歩んできた。中国マーケット開拓の手腕が認められて、50歳で部長に昇格。最近は月に数回、北京や上海に出張している。Uさんと付き合いのある中国人は、懐に入ってしまえば情に厚く、むしろ仕事がやりやすかった。「挨拶と自己紹介くらいは相手の国の言葉で行う」。これがUさんの長い営業生活で学んだことだ。

 学生時代に「三国志」を読んで中国の歴史に興味をもち、中国語を学んでおいてよかったと思っている。英語と違って、中国語は社内でもできる人が少ない。挨拶だけでもできると、格段にビジネスも違ってくると思っている。食事も同様だ。海外の出張先で、高い日本料理屋に行くより、現地の人と同じものを食べ、食文化を通してその国を知るようにしている。

 Uさんは海外の出張先で体調管理には気をつけていたが、前回の上海出張では発熱を伴う激しい下痢をしてしまった。脱水症状を起こし、上海虹橋空港そばの日本人医師に診察を受け、点滴と投薬をしてもらった。帰国後も不調は続いた。腸の具合が悪いとこんなに仕事に支障をきたすのだと改めて実感した。

食欲がないのにお腹は張る
胃腸薬を飲んでも改善されない便秘

 Uさんは出張後、中国向け輸出の社内のリーダーとして多忙な日々が続いていたが、腸の具合が悪いせいか、食欲もあまりない。気づくと朝食は抜いて、昼は社員食堂で軽くそばを食べる程度。夜の食事も重いものは避けるようになっていた。食欲が落ちたので、以前よりもスタミナが減り、会議でもうわの空になってしまうことがあった。

 しかし不思議なことに、最近、お腹周りが気になっていた。「最近ゴルフもしていないし、週末の散歩もやっていない。腹筋でも始めようかなあ」と考えてはじめた。