さらに、お腹の張りが気になる。市販の胃腸薬を飲んでもなかなか改善されない。胃や腸にガスがたまり、常に不快感がある。この頃は便が出そうになってトイレに行き、いきんでも便は出ない。Uさんはお腹の張りと頑固な便秘が辛くなり、近所の開業医へ相談に行くことにした。そういえば5日も便通がない。こんなことは人生ではじめてだった。

便通のあった人の便秘は要注意!
検診だけではがんを見落とすことも…

「最近便が出にくく、市販薬を試してみましたが効果がありません。お腹がいつも張って気持ち悪いのです。よく効く薬を頂けますか。まさか大腸がんじゃないですよね」

 Uさんがこう相談すると、医師は以下のように告げた。

「出血もないようだし、これだけ元気ならがんではないでしょう。まあ下剤を出しておきますから、よくならなかったら、またいらっしゃい」

 そして、特に検査もせずに薬を出してくれた。その薬を飲むと5日ぶりで便がようやく出た。Uさんは「便が出ないことがこんなに苦しいとは思わなかった」と感じた。

 しかし、ようやく便が出た後、ズボンをはくとベルトが異常にゆるいと感じた。心配して体重計に乗ると数ヵ月前よりも3キログラムも減っている。

 翌日、会社で同僚にそのことを話すと、「最近元気がないのが気になっていたよ。昼もあんまり食べないし、痩せてきたのは心配だから、一度検査を受けたほうがいいよ」というアドバイスをされ、Uさんは検査ができる病院を探しはじめた。

 Uさんは、精密検査をする病院をインターネットで調べた。自分が毎年会社で受けていた大腸がん健診は便の潜血反応をみているだけで、がんそのものを発見できないことがあると知った。その検査では、血液反応がないと大腸がんは陰性となるのだ。

 インターネットには「便通があった人が頑固な便秘を示すのは、下痢よりもはるかに悪いサイン」と書いてある。数年前に大腸がんで亡くなった父親も、最初はお腹にガスがたまると言っていたのを突然思い出した。父親の主治医だった消化器系の医師に相談してみようと思ったと同時に「自分もがんだったら」という気持ちを抑えられずにいた。