「シティホテルや郊外のロッジを利用すればいいのかもしれません。でもこれらの利用は割り勘でも1万円から3万円程度かかります。住宅ローンを抱えるサラリーマンの身では金銭的に厳しい。気持ちも下半身も萎えてしまいます」。東京都八王子市に住む3P・グループセックス愛好家の既婚男性(44)は、自身を含めて、特殊性癖を持つ人たちへの風当たりが厳しいラブホテルの状況をこう嘆く。

 これら性的マイノリティの人たちを安価な価格帯で受け入れるラブホテル風のレンタルルームは、まさに“救世主”といったところ。複数名利用についても問題ない。「お客様さえよければ対応できる限り」(東京都・レンタルルーム従業員)と、基本的には受け入れ可能だ。

「ある日など、ひとつの部屋を男性が8人利用したこともありました。次にその部屋をご利用されたのは出張中のサラリーマン男性おひとり様でした。女子会利用もあります。異なる客層のお客様にご利用いただけるのがレンタルルームです」

 この従業員は、幅広いレンタルルーム利用の客層をこう明かす。実際、ラブホテルに比べその客層は多様性に溢れている。大勢の若い学生やフリーターの旅行者、男女年齢問わないビジネスパーソン、なかには日雇いで生計を立てていると思われる人の宿泊利用もあるという。

 性的マイノリティのみならず、貧困層といった社会的弱者が同じ屋根の下にいる。その雰囲気はラブホテルと漫画喫茶やネットカフェが入り混じったかのようだ。だが、東京都内にあるいくつかのレンタルルーム客室内に入ると、そこにはラブホテルのような派手さはない。ビジネスホテルやシティホテルと遜色ない清潔感がある。

「ともすれば暗く捉えられがちなレンタルルームの雰囲気を変えていきたいのです。将来的には、夏の暑い日にOLさんがひとり、ふらっと入ってシャワーを浴びてさっぱりして、お休みいただき、お帰りいただく――誰でも気軽に来られる空間を目指しています」。東京・錦糸町にあるレンタルルーム「プチテル」スタッフは、これからのレンタルルーム像をこう話す。

 そしてラブホテルとの棲み分けについては次のように語った。

「カップルのレジャーランドともいえる華々しさはラブホテルならではのものです。私たちレンタルルームはむしろその逆、誰もが落ち着ける空間を低価格でご提供することで多様性あるニーズにお応えしたいです」