世界中で熱狂的な大ブームになっているスマートフォン向けゲームアプリ「ポケモンGO」。このアプリの開発・配信元の米企業に一部出資する任天堂の時価総額は、わずか2週間で2兆5000億円押し上げられた。久々の大ヒットは、同社復活の予兆なのか。(「週刊ダイヤモンド」編集部 村井令二)

7月22日から日本でも配信が始まった「ポケモンGO」。アプリ配信とともに、東京都内のポケモン出現スポットには、スマホを片手に画面をのぞき込む人だかりができた Photo by Reiji Murai

「当社の連結業績に与える影響は限定的」。米国、豪州、欧州、南米に続き、日本での配信がスタートした7月22日午後7時すぎ、「ポケモンGO」の配信を待ちわびた国内ユーザーの興奮冷めやらぬ中、任天堂は東京証券取引所の適時開示で、短いコメントを発表した。

 ポケモンGOの米国配信前の7月6日時点で1万4380円だった任天堂の株価は、19日には3万2700円まで上昇し、時価総額は4兆6000億円にまで膨らんだ(下グラフ参照)。日本での配信が始まった22日も前日比220円高で取引を終えたが、週明け25日の取引で一転、急落する。

 背景には、任天堂の「限定」コメントとともに、業績への直接的な利益貢献が一層読みにくくなったことがある。