経営×統計学

論理的に正しい意思決定を下すビジネスマンの必須スキル「統計学」

 その他アンケート分析では、単純集計だけでなく、属性やカテゴリーごとに回答結果を集計するクロス表(サブグループ解析)が欠かせない。講座はその後、複数の変数データの相互の関係性を調べる多変量解析の基礎や、分析結果の信頼性を検証する「検定」の概念などにまで話が及んだ。

 「今度、品質管理に関する業務に携わることになりそうなので、統計学の基本知識を得ておきたくて」と参加の動機を語る30代の男性は、「エクセルで平均と標準偏差を出すくらいはやったことはあるが、今日習った多変量解析などは初めて聞いた」という。

 サラリーマン経験を経て、今は大学教授をしているという40代男性は、「大学には実務経験者として採用されたが、論文や学生指導では統計の知識は必須。だが、これまで統計の勉強はしたことがなかった」と話す。また、現在の専門はキャリア教育だが、この春から新たにマーケティングの講座を受け持つことになり、なおさら統計の知識の必要性を痛感しているという。

 インチキ統計やニセ科学にだまされないための統計的思考法もさることながら、ビジネスマンにとっては「統計学」そのものの知識が不可欠になっている。

 勘や経験ではなく、確固としたデータに基づいて物事を捉え、適切な統計的手法によってデータを観察・分析する。そうした方法から導き出された結論や予測に従って、正しい意思決定を下す──。そう、統計学とは意思決定のためのツールなのである。その意味において、誰もが身に付けるべきスキルといえる。

 ただ、統計学に数学的な理解は不可避で、“文系人間”には敷居が高い。食わず嫌いを克服し、書店で統計学の“入門書”を手に取ったものの、その難解さに匙を投げた人も多いことだろう。

 連載「基礎から学ぶ統計学“最強”入門」では、数字が苦手な文系ビジネスマンでもわかる、統計分析の基本中の基本を扱う。これは奥深い統計学の世界の、ほんの入り口だ。興味が湧いたなら、次は自力でその先に進んでいってほしい。

(記事転載元:『週刊ダイヤモンド』2013年3月30日号特集「最強の武器 統計学」P48~49/編集スタッフ:清水量介、鈴木崇久、深澤 献、藤田章夫)

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週刊ダイヤモンド編集部


基礎から学ぶ統計学“最強”入門

大量のデータが溢れる現代社会では、様々な事象を数字で捉え、本質を導き出す統計学という手法や思考法が、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルとなる。勘や経験ではなく、データに基づいた正しい意思決定を下すことが重要だ。統計学の基本中の基本を、初心者にもわかり易く徹底解説する。

「基礎から学ぶ統計学“最強”入門」

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