【第三条】 プロに任せるな。

 銀行の店頭にあるポスターなどを眺めると、「相談しよう」と顧客を誘うものを多数見かけるが、近づかない方がいい。無料の相談であっても、そうだ。

 なぜなら、相談の相手をしてくれる金融マンは高い人件費以上の利益を稼がなければならない(商売の)プロであり、彼らが繰り出す「ご提案」を、素人がその場で的確に批判することは難しいからである。

 まして、商品の選択、売買のタイミング、投資金額の決定などを、金融マンに実質的に委ねるようなことは、絶対に避けるべきだ。

 しかし、高齢者には、「自分は、相手がいい人であるか否かを判断できる」と思い込む傾向が強いように思われる。自分の話し相手になってくれる人(構ってくれる人)、自分を尊重してくれる人を大切にしたいという心理が、体力や判断力が衰えてくると強化されるのかもしれないが、他人をむやみに「信用したがるようになる」ことは金融取引の世界にあっては、大変危ない傾向だ。

 他方、金融機関のセールスマンの側は、金融商品やサービスの長所を売り込もうとするよりも、「いい人」としての自分の売り込みに注力するし、それが奏功して、多くの高齢者が、間違いなく無駄な手数料を支払い、かつしばしば過大で奇妙なリスクを取る(注:リスクの大きな商品の方が、手数料が高い傾向がある)。

 構ってもらったり、感心してもらったりすることが嬉しいのは分かるが、お金の運用の判断に運用商品を販売するプロは一切関わらせてはならない。

 相談が必要な場合は、金融商品や保険商品などを扱っていない「金融機関と関わりのない」ファイナンシャルプランナー(時に専門知識に疑問があるが)などに相談料を払って相談するのがいい。