明治大学が女子高生に人気だという。激変する大学ブランドをどう読み解けば良いのか? 大学の各ランキングなど貴重なデータを元に人気大学の今を徹底分析した新書『早慶MARCH』(朝日新聞出版)の著者である、教育ジャーナリストの小林哲夫氏に、明治大学人気の秘密を探ってもらった。
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平日、御茶ノ水、神田近辺に立ち寄った際、明治大のキャンパスに足を運んでみるといい。「これが明治大なのか」と思わずのけぞってしまうかもしれない。
「こんなに女子学生が多かったっけ?」
思わずそうつぶやいてしまうほど、女子の姿が目立つからだ。“武骨”“体育会”というイメージを持っているならば、それは払拭(ふっしょく)されるだろう。
昭和から平成初期に明治大に通っていた、おおよそ40代半ばより上の世代ならば、女子学生が談笑する華やか雰囲気に目をぱちぱちさせ、「うらやましいなあ。こんなに女の子がいっぱいいて」と、自分たちの時代を恨んでしまうかもしれない。
実は今、明治大は女子高生の「受験したい大学No.1」なのである(リクナビ進学2015、関東圏の調査より)。なぜ、これほどまでに女子から支持されるようになったのか。データを見てみよう。
2016(平成28)年、学生数は3万992人のうち女子は1万653人で、34.4%にのぼる。1988(昭和63)年は2万6300人のうち女子は3409人で、わずか12.9%だ。
30年近い開きがあるとはいえ、女子学生数は3倍以上となった。法、政治経済、商、経営など社会科学系学部、農、理工など理工学部に進学する女子が増えたからである。
加えて、国際日本学部、情報コミュニケーション学部が新設されたことも大きい。国際舞台、ITソフト関連で活躍したという女子にとって、明治大は絶好の選択肢となった。女子イコール文学部という図式は崩れている。これは男女雇用機会均等法など女性が社会で活躍できる環境が整ったことによるものだ。