「毎日運動しよう」「間食をやめよう」と決意しても、なかなか続かないのはなぜでしょうか。肥満治療の最前線に立つ減量専門医、アンドリュー・ジェンキンソン医師によれば、習慣化に「気合い」や「意志の力」は不要。脳の仕組みを利用して、良い習慣を簡単にし、悪い習慣を難しくするテクニックを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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悪い習慣には「摩擦」を増やす
どんな習慣も脳は決して忘れない。
ある習慣をやめれば、その神経経路は時間とともに埋没し、弱まっていくかもしれないが、消えることはない。
最も上手に悪い習慣に打ち勝つ方法は、アイデンティティに一致するいい習慣に置き換えることだ。
それには、悪い習慣をもたらす合図を排除して悪い習慣に意識が向かないようにし、悪い習慣を実践しても報酬を得にくくしていかなければならない。
帰宅途中でファストフードを食べる習慣をやめるなら、別の道から帰ればいい。
夜、いつまでもダラダラと動画を見てしまうという悪い習慣のきっかけは、帰宅するとすぐにテレビをつけることだとしたら、それを物理的に難しくしてしまえばいい。
家具の配置を変えて、ソファをテレビから離す。
テレビのプラグを抜いておく。
リモコンを別の部屋に置いておく、などだ。
これによって行動に摩擦を増やすことができる。
いい習慣は「1日5分」からでいい
悪い習慣をいい習慣に置き換えたいなら、いい習慣をより簡単にできるようにしなければならない。
帰宅したら読みたい本がすぐに読めるよう、手近なところに置いておく。
こういったちょっとした工夫で自宅の環境を変えていく。
すると、自分のアイデンティティに合わない習慣は実践するのが難しくなっていく。
そしていい習慣はどんどん際立ってきて、やりやすくなっていく。
新たな習慣を身につけていくには繰り返し行うことが必要だ。
繰り返すほどその行動の神経経路は脳にしっかりと刻み込まれていく。
たとえ5分だけでも毎日同じ行動を繰り返すことで、脳はそれを日課と捉えるようになる。
ランニングを始めるなら、いきなりハードな5キロに挑戦するより、5分でいいから毎日走るようにしたほうがいい。
1日も休まないようにしよう。
やがて、その行動は意識的な決断なしにできるようになる。
歯磨きのように、日常のルーティンに組み込まれていくだろう。
(本稿は書籍『減量専門医が教える 食べ方の正解』より一部を抜粋・編集したものです)
名門ユニバーシティ・カレッジ病院の肥満(減量)外科および一般外科医、コンサルタント。サウサンプトン大学医学部を卒業後、イングランド王立外科医師会のフェローシップに参加。腹腔鏡手術の外科学修士課程を修了し、ホーマートン大学病院にてロンドンで最も予約の取れない肥満治療病棟の設立に貢献した。
前腸(食道と胃)に関する世界的権威としても知られ、2000年以来、100以上の科学論文を発表。現在はNHS(国民保健サービス)に従事しながら、ロンドンクリニックとウェリントン私立病院の肥満外科部門の責任者を務める。







