これからは中国からインドの時代に!? 

低迷する中国株相場とは裏腹に好調に推移するインド株。
その勢いは当面続くのか?

 インド株の代表的インデックスであるムンバイSENSEX指数は9月末までの4カ月間で20%も上昇した。低迷が続く中国株とは対照的だ。

 「好調の原因のひとつが欧米の年金基金。今年に入ってから9月中旬までにインド株市場で140億ドルも買い越しています。通年では過去最高記録の170億ドルを更新しそうです」と語るのはHSBCグローバル・アセット・マネジメントのサンジブ・デュガルさん。中長期的には中国よりも大きな成長が期待できると見込んで、資金を中国株からインド株にシフトする年金基金の動きもあるとか。

 「中国の経済成長はインフラ投資などの財政出動で支えられていますが、国の財政が厳しいインドでは、内需が成長の牽引役です。その意味でインドのほうが“純粋な成長”を果たしていると言えそうです。内需主導型なので欧米の不況の悪影響も受けにくく、これまで同様に年6~7%の経済成長を持続することでしょう」(デュガルさん)

(文/渡辺賢一)
※ダイヤモンド・ザイ2010年12月号(10月21日発売)に掲載


<Profile>
HSBCグローバル・アセット・マネジメント
インド株式運用チームインベストメントダイレクター

サンジブ・デュガルさん

好きな日本食は寿司。「豊かさとともに、インド人の食生活も変化しています」