ウィキリークス(Wikileaks)が、ふたたび大論争を呼んでいる。

 「ふたたび」と書いたのは、アフガニスタン、イラク戦争に関するアメリカ軍の秘密資料が、これで2回にわたって公開されたからだ。1回目はさる7月末。その時は約9万ページの戦闘ログ(記録)だったが、今回はそれを上回るなんと約40万ページが、ウィキリークスのサイトに上げられた。

 アメリカ軍がこれで大きな危険にさらされ、戦略が大幅に変更を迫られるのではないか、一体こうした秘密文書のリーク(漏洩)や公開を許していいのかなど、一度は消えかけていた議論が、また燃え上がっているのだ。

ウィキリークスの創業者、ジュリアン・アサンジェ氏は、オーストラリア出身の元ハッカーという以外、その経歴は謎に包まれている。強烈な個性ゆえに、ウィキリークス内部では対立が絶えず、離脱するメンバーも少なくないという。
Photo by ロイター/アフロ

 ウィキリークスは、国際的な内部告発サイトである。創設されたのは2007年で、オーストラリア出身の元ハッカー、ジュリアン・アサンジェが中心となっている。だが、その実情は明らかではなく、各国のジャーナリスト、中国の反政府活動家、テクノロジー専門家らが協力しているとも伝えられている。

 ウィキリークスは、自らの目的をサイト上で次のように説明する。

 「報道活動は透明性を加えるもので、透明性はより良い社会を作り出すものだ。精密な調査によって、あらゆる社会の政府、企業、その他組織などの機関における腐敗は減り、強い民主主義につながる。健全で活気に満ち、探究心のある報道メディアは、そのゴールの達成のために大きな役割を果たしている。そしてウィキリークスは、そうしたメディアのひとつなのだ」。