>>(上)より続く
だから今年の正月休み、春休み、そしてお盆休み。妻が実家に戻るタイミングで、帰省先において不倫の件をすべて暴露してしまおう、親戚一同を前にして包み隠さず!昌也さんはその都度都度、そんな衝動に駆りたてられていました。もし、昌也さんが本当に実家へ駈け込んでいれば、先週の包丁事件も起こらなかったかもしれませんが、これは後の祭りです。
結局、昌也さんが妻に対して中途半端な温情をかけ、あえて何もしなかったせいで、そのことが完全に裏目に出た格好です。
このように妻は家の外で、別の男との食事、デート、セックスに興じていたわけですが、もし、妻が家の中で機嫌が良くなって、家族に優しく接したり、家事にやる気を出したりしてくれれば、今回の事件に発展しなかった可能性もあるでしょう。不倫とはいえ恋愛の一種ですから、幸せな気持ちに包まれ、アドレナリンが分泌されれば、精神状態は安定します。
しかし今回の場合は、相手が既婚者で不倫はむしろ精神状態を乱す原因になりかねません。なぜなら、不倫相手の男は「自分の妻」と「昌也さんの妻」の二股状態だからです。
妻は不安や不満、さらに嫉妬の気持ちを募らせて機嫌が悪くなり、ますます精神的に不安定な状態に陥った結果、たかが「家のなかでサッカーボールで遊んだ」だけで包丁を持ち出す事態に至ったのです。
「もっと上手く立ち回れば防ぐことができたのではないか」。昌也さんは不倫についてもDVについても、自責の念に苛まれています。
父子を残し実家に逃げた妻
娘に離婚を伝えられず苦悩する日々
2人目は両親の離婚ですが、子どもに対してどのような影響を及ぼすのでしょうか?
「何の罪もない娘を巻き込んだことは絶対に許せません!妻のせいで娘が『てんかん』を発症してしまったんです!妻のせいで天国から地獄に突き落とされたんです!!」
木村文人さん(42歳)が妻と離婚したのは遡ること1ヵ月前のこと。発端は些細な夫婦喧嘩ですが、妻は夫子を残して実家に逃げ帰ってしまったそう。
文人さんがいくら電話やメール、LINEをしても、なつのつぶてという感じで音沙汰なし。途中から妻の父親がしゃしゃり出てきたので、夫婦間でまともに話をすることも叶わず、ほとんど父親に押し切られるような形で離婚が成立したようです。
夫婦の間には10歳(小学5年生)の娘さんがいるのですが、妻は家出の日から一度たりとも自宅に顔を出すことはなく、また娘さんを引き取りに来ることもなかったので、なし崩し的に文人さんと娘は一緒に暮らすことになったのです。