目が覚めると「メダル獲得!」の朗報が入ってくるので、毎朝、嬉しくなりますね。ちょうど夏休みなので、お子さんと一緒にオリンピックを楽しんでいる人も多いのでは?試合の中継だけでなく、選手の幼少期を振り返る番組も多いですが、自宅のリビングで子どもがサッカーボールを蹴る仕草をしたり、「サーー!」と卓球選手のマネをしたり、「大きくなったら水泳のお姉さんみたいになるの!」と口にしたり……。

 そんな健気で愛らしく純粋無垢な姿を見れば、「無限の可能性」を感じることができ、微笑ましく思うのですが、一方で離婚の相談の現場では、残念ながら、親が子どもの夢を奪ったり、人生を台無しにしたり、将来に影を落としたりするケースは決して珍しくありません。

 妻の不倫や家出、そして離婚という出来事は子どもに対して、具体的にどのような悪影響を与えるのでしょうか?今回は3人の夫の証言をもとに掘り下げていきます。

家族でサッカーをテレビ観戦後
妻が引き起こした事件

母親の常識、倫理観のない行動が何の罪もない子を奈落の底に突き落としている(写真は本文と関係ありません)

 1人目の内村昌也さん(38歳)は妻との間に9歳と6歳の息子さんがおり、先週は家族4人でオリンピックのサッカー中継を鑑賞していたようで、傍から見ると、昌也さんの家族は一点の淀みもない清廉潔白な一家のように思えます。

「事件」が起こったのは、ちょうど日本代表の試合が終わった直後のこと。2人の息子さんは興奮さめやらぬ様子でリビングにサッカーボールを持ってきて、「僕もオリンピックに出たいなぁ」と言いながら、楽しそうに、そして無邪気に遊び始めたのですが、「うるさい!静かにしろ!!」と突然、妻は感情的に怒鳴りました。妻は台所から包丁を持ち出し、サッカーボールを息子さんから取り上げ、そして包丁でボールを切り裂き始めたそう。妻がしでかした行動は「しつけの域」を完全に超えていました。

 何箇所も大きな穴の開いたボールは、「プシュゥゥゥゥ」と音を立てて、空気が一気に抜けていったのですが、リビングに響き渡る不気味な異音は息子さんに「母親との溝」を植え付けるには十分でした。目の前で狂ったようにサッカーボールを包丁で突き刺すという「母親の豹変」を目の当たりにすれば、「また豹変するかもしれない」と恐れおののくのは当然のこと。

 その事件を境に、息子さんたちは自分から妻と話そうとせず、妻の前では一切、嫌な顔をせず、言われたことを言われた通りにやるという「いい子」を演じるようになってしまいました。昌也さんの目から見ても、息子さんと妻との間には物理的、そして心理的な距離感があると考えざるを得ませんでした。