グーグルの「いじめ」告白、解雇されたエンジニアグーグルを解雇されたケビン・サーネキー氏(7月29日) Photo:Jason Henry/The Wall Street Journal

【マウンテンビュー(米カリフォルニア州)】米アルファベット傘下のグーグル社内でケビン・サーネキー氏(41)の政治や社会問題への保守的な見解が反発を買ったのは、サーネキー氏がまだ「ヌーグラー」と呼ばれる新入社員だったころだ。

 サーネキー氏は2015年初め、社内のメッセージボードに幾つか投稿したところ、同僚に反感を持たれた。その後に人事部から、非礼で反抗的とみなされる振る舞いについて正式な警告があった。ちょうどその頃、あるシニアマネジャーはメッセージボードに、一緒に仕事をしないと決めた社員ブラックリストにサーネキー氏を加えたと投稿した。

 インタビューや資料、社内メッセージボードへの投稿の写しによると、サーネキー氏は人事規定への違反とみなされたことを巡り、それから3年間のほとんどをグーグルとの争いに費やし、保守寄りの社員が不公平に扱われていると主張し続けた。一例として同氏は2017年、あるマネジャーがメッセージボードで、サーネキー氏と似た思想を持つ社員らについて「有害なあほうどもをクビにできないのか」と質問を投げかけたと人事部に報告していた。

 2018年6月、サーネキー氏は解雇された。

 グーグルは解雇通知で、リモートアクセスソフトを含む機器の乱用を理由に挙げた。サーネキー氏は乱用を否定し、リベラル思考で知られるシリコンバレーで、保守派として目立っていたために解雇されたのだと述べている。同氏がグーグル社内で置かれた状況について公に話したのはこれが初めて。

 サーネキー氏は「以前から、グーグルではいじめが横行している」と語る。「強い政治的動機が働いていて、(左派か右派かで)全く扱いが異なる」