定年前後の働き方にまつわる情報を、厳選して掲載する本連載。今回は「定年前に仕事を辞めるときの注意点」「退職金の受け取り方で手取りが変わる」「給与が下がると給付金がもらえる?」という三つのトピックを解説します。(社会保険労務士 佐佐木由美子)
定年前に仕事を辞めるときの注意点は?
定年まで待たずに、少しでも早く次のステップに進んでおこうと仕事を辞める方もいます。あるいは、親の介護のため、また体力面における不安、やりたいことをしてみるなどさまざまな理由から仕事を辞める方もいるかもしれません。このとき注意したいのは、お金に関すること。
まずは退職金です。自らの事情で退職する場合は「自己都合退職」となり、定年退職と比べて在籍期間が短くなるうえに給付率も下がることが多いため、給付額が減ってしまうことを理解しておく必要があります。
失業手当(=基本手当)についても気をつけたいことがあります。仕事を辞めてから再就職先を探す場合、定年退職と比べ、失業手当はすぐに支給されない場合がほとんど。そのため、余裕をもって当面の生活資金を準備しておくことが大切になります。
再就職しない場合、厚生年金の受取額も減ってしまいます。再就職ができたとしても、給与が下がれば厚生年金の額も定年退職まで勤務しているより下がってしまいます。
定年前に仕事を辞めるのも人生における選択肢のひとつ。自由に決めてよいと思いますが、お金に関することと、その先の人生プランについては辞める前にしっかりと考えておきましょう。