クリエイター集団「エンハンス」の代表を務める水口哲也さん。「Rez Infinite」や「Tetris®︎ Effect」などのVRコンテンツや、共感覚装置「シナスタジアX1-2.44」の開発など、さまざまな体験型クリエイティブに挑戦し続ける水口さんは、ビジネスデザイナー濱口秀司さんの『SHIFT:イノベーションの作法』をどう読んでくださったのか。

エンハンス代表 水口哲也さんに聞く「『SHIFT:イノベーションの作法』は若い人が読むべし。濱ちゃんを超えた「何か」を起こすために。」<br />水口哲也さん(エンハンス代表)

濱ちゃんとはたまにヒロシ先生(大阪大学教授の石黒浩さん)と一緒に食事をしたり、カンファレンスやセッションで一緒になったり。まだ一緒に仕事をしたことはないんですけど、常に近そうなころにいて、実はぜんぜん違う方向、しかもすごく遠くを見つめている人というのかな。

濱ちゃんは、僕らに見えないことがスローモーションのように見えて、しかもロジカルに体系化できるという、ちょっと超人じみたところがあります。まるで存在自体が「イノベーションOS」みたいな人です。思考の深さ、広さ、スピード、ブルドーザーみたいなパワー、全部揃ってる感じ。

自分は今まで、コンサルタントを雇いたいなんて思ったことはないんですが、もしそういう機会が訪れたら、お願いしたいのはゼッタイ濱ちゃんですね。僕らの目指す体験のクリエイティブを濱ちゃんがコンサルしたらどうなるんだろう?と。ドキドキするけど、やってみたいことの一つです。僕らの発想を濱ちゃんのOSで動かしたら、なんかとんでもないことになりそう。でも、「お友達価格」にしてもらいたいです(笑)。

この『SHIFT』を読む方のほとんどは、大きなプロジェクトを動かしている人とか、企業のエライ人かもしれないけど、僕はもっと若い人たちに読んでほしいです。濱ちゃんの考え方が世に広く浸透するには、つまり理解するには、時間がかかると思う。だから、なるべく若い世代が『SHIFT』を読んで、じっくり時間をかけて、濱ちゃん超えを狙って行ってほしいですね。(談)