電動歯ブラシPhoto:PIXTA

 毛先(ヘッド)の進歩に加え、専用のアプリで磨き残しがわかるなど、さまざまな機能がついたデジタル電動歯ブラシが登場しています。従来の電動歯ブラシと比較し、より効率よく磨けるようになるのでしょうか? 高機能ゆえの盲点はあるのでしょうか? 『なぜ歯科の治療は1回では終わらないのか? 聞くに聞けない歯医者のギモン40』が好評発売中の歯周病専門医、若林健史歯科医師に疑問をぶつけてみました。

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若林健史歯科医師若林健史(わかばやし・けんじ) 歯科医師。医療法人社団真健会(若林歯科医院、オーラルケアクリニック青山)理事長。1982年、日本大学松戸歯学部卒業。89年、東京都渋谷区代官山にて開業。2014年、代官山から恵比寿南に移転。日本大学客員教授、日本歯周病学会理事を務める。歯周病専門医・指導医として、歯科医師向けや一般市民向けの講演多数。テレビCMにも出演

 電動歯ブラシの歴史を振り返ると、最初、「毛先が自動で動く」、それだけですごいことでした。その後は年々、機能がよくなり、毛先が歯を包み込むように動くもの、音波の振動で汚れを取るもの(音波歯ブラシや超音波歯ブラシ)など、どんどん進化しています。

 しかし、どんなに機能がよくなっても「ちゃんと磨けているかどうかがわからない」という課題は手磨きと同様に、残っていました。

 それを克服すべく、ついに登場したのが「磨き残しを確認できる機能」がついた電動歯ブラシです。スマホに専用のアプリを入れると歯の画像が出てきます。歯ブラシからの情報をセンサーで受け取り、ブラッシングができた部分から色づけされます。ブラッシング圧が強すぎたり、動かしすぎたりする場合、これを教えてくれます。

 さらに最新機種では、AI(人工知能)が搭載されている電動歯ブラシが登場しています。数千人のブラッシングデータとパターンから電動歯ブラシを使っている人の磨き方と照合することで、より正確に磨き残しを検知し、知らせてくれる仕組みです。