河川氾濫写真はイメージです Photo:PIXTA

 最近の日本列島は毎年のように大型台風や豪雨に襲われるが、堤防損壊などによる水害の被災者が「河川行政の欠陥」として損害賠償を裁判に訴えても、ほとんど認められないできた。

 そうした「司法の壁」に穴をあける判決が今年3月、熊本地裁で出され、相次いでいる河川災害の損害賠損訴訟への影響が注目されている。

熊本地裁が賠償命じる
流水被害で熊本市に瑕疵

 この判決は、2012年7月の九州北部豪雨の際、熊本市が管理する水路からあふれ出た水によってゴルフ練習場が被害を受けたとして、経営者が市を訴えた裁判で、熊本地裁(小野寺優子裁判長)が3月18日に出したものだ。

 判決は訴えの一部を認め、約42万円の賠償を市に命じた。