デジタル負け組・日本企業が「スマホの次」のイノベーションで生き残る心得近年中に「スマホの次」のイノベーションが起きたとき、日本企業はその波に乗ることができるだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ゲームチェンジャーとなったスマホ
「VR」という次のイノベーション

 iPhoneが北米で産声を上げた2007年1月から14年が経過した。世界全体の年間出荷台数が12億台に達するなど、スマートフォンは人類史上もっとも普及した端末であるとともに、2010年以降のデジタライゼーションを大きく加速させた。ニコラス・ネグロポンテ氏が連呼した「アトムからビットへ」を先導したのもスマートフォンである。

 スマートフォンというゲームチェンジャーが登場したことで、GAFAは時代の寵児となる一方、日本企業は劣勢に立たされた。スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表したデジタル競争力のランキングでは、米国が1位であるのに対し、日本は27位と苦境に立たされている(2020年9月時点)。

 しかし、そんなスマートフォンも誕生から14年がたち、イノベーションが一巡した感は強い。ガラケーが誕生した1995年からiPhoneが登場するまでの期間が約12年であることを考えると、近年中に次のデバイスイノベーションが起こる可能性はある。

 デバイスイノベーションの代表格として市場から期待されているものの1つはVRだ。VRはUI(ユーザーインターフェース)をディスプレイのサイズという制約から解放するものとして革新的である。部材の小型化やコンテンツ拡充などの諸問題が解決すれば、VRは新たに市場を席捲するデバイスになり得る。