社会課題への関心を背景に
世界中で増えているESG投信
今年2月末時点の投資信託・資産運用残高ランキングでは、「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」が初の首位となった。同ファンドは、ESG(環境、社会、企業統治)に配慮している上場企業を重視・選別すること(以下、ESG投資)を運用方針としている。
同ファンドの投資ポートフォリオは、アマゾン(米)、マスターカード(米)、TALエデュケーション(中国、教育分野のテクノロジー企業)、ウーバー・テクノロジーズ(米)などのグローバル企業を中心に構成されている。
ESG投資を運用方針とするESG投信は、自由競争を是とするグローバル資本主義への反動に加えて、負の外部経済による環境や生態系の破壊、貧富の格差拡大といった社会課題への関心の高まりを背景に世界中で増加傾向にある。
日本では、ESGという言葉は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2015年に国連責任投資原則(PRI)に署名したことを契機に、広く知られるようになった。