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SBIが新生銀行TOBに踏み切る経緯
昨年まで両社は良好な関係

 SBIホールディングス(SBIHD)は、傘下のSBI地銀ホールディングスと共同で新生銀行の公開買付(TOB)を発表しました。SBIHDは、すでに新生銀行の発行済み株式の19.85%の株を保有していますが、TOBによって最大48%まで買い進める意向を示しています。

 SBIHDによるTOBについて、新生銀行は事前に知らされていませんでした。新生銀行は、買収防衛策の導入を決議したほか、ホワイトナイトを探す動きもあり、実質的には敵対的TOBと言えます。

 SBIHDが新生銀行に対してTOBに踏み切るまでには伏線があります。

 SBIHDは2019年4月頃から新生銀行の株の取得を始め、業務提携や株の保有比率をより高める交渉などをしてきました。

 SBIHDは2020年8月に、地方創生事業をする地方創生パートナーズという会社を設立しましたが、新生銀行は、日本政策投資銀行、山口フィナンシャルグループ、コンコルディア・フィナンシャルグループとともに、同社に出資・参画しています。

 少なくともこの時期までは、SBIHDと新生銀行の関係は、良好であったと思われます。