マッキンゼーで叩き込まれた「問い」の力Photo:PIXTA

元マッキンゼーで、現在は経営者へのエグゼクティブコーチング、人材戦略コンサルティングを行う大嶋祥誉氏が、新刊書『マッキンゼーで叩き込まれた「問い」の力』を上梓。本書からの抜粋で、状況を突破するための最強の問題解決法「問い」思考について紹介していく。

マッキンゼー時代に
叩き込まれた「問い」思考

「問い」ができる人とできない人では、仕事における成長ぶりにも大きな差がついてきます。といっても、私もマッキンゼーに入社したばかりのときは、そんな問いの重要さをまだきちんと理解できていませんでした。

 私が「問い」の力に気づかされたのは入社1年目の新人時代。当時のマネージャーからのリクエストで、ある自動車メーカーの市場動向調査を頼まれたときのことです。

 期限は2週間。すでに成長が横ばいになり、成熟産業と呼ばれるようになった自動車市場で、そのメーカーが販売を伸ばすためにどのような成長戦略をとるべきか? それを描くための基礎資料を作成するというのがリクエスト内容でした。

 リクエスト内容を織り込んだ「ファクトパック」と呼ばれる、事実に基づいたリサーチ資料を作成するのですが、入社1年目の私にとっては、何をどこまでやればいいのかがわかりません。