いまもっともビジネスパーソンに求められる能力――感情コントロール術。怒り、不安、悲しみなどをうまく制御できれば、集中力が増し、常に高いパフォーマンスを発揮できるようになる。『マッキンゼーで学んだ感情コントロールの技術』(青春出版社)より、マッキンゼーの問題解決のスキルを応用した、効果抜群の心の整え方を紹介する。
感情が乱れてもすぐに冷静になるには
前回の記事では、感情の乱れを感情の問題として扱わず、解決可能なロジカルな問題として扱うことこそが感情コントロールの極意と説明しました。ロジカルシンキングの基本として物事を2つに分けることで思考をクリアにするという分解思考があります。
思考が混乱し、モヤモヤした感情をさらに複雑化させるのは、この分解思考ができていなかったり、不十分であることが多いのです。以下、分解思考の代表例を、5つだけ挙げます。
1.「自他の問題」を分ける(課題の分離)
本来は相手の問題にもかかわらず、自分の問題として捉えてしまい、エネルギーを浪費してしまう場合があります。たとえば、上司が何かとイライラしているとします。それを自分のせいだと考えると「どうしよう?」とか、「何とかしなければ」と思ってしまいます。しかし、そのイライラはもしかすると上司とその奥さんの関係がうまくいっていないとか、上司の体調のせいだとか、必ずしもあなたのせいではないかもしれません。