先週の総括

 先週の日経平均株価は、落ち着いた動きに終始した。JPモルガンがベア・スターンズ証券の買収価格を引き上げたことが好感され、米国株式が急騰。円高も一服し、日経平均株価は一時1万2700円を上回った。その後は戻り売りに押され、また年度末を前に市場参加者が売買を控えたため、売買代金は低水準となり盛り上がりに欠ける展開となった。週末は日経平均先物の買戻しとみられる動きがみられ、結局前週末比2.7%上昇の1万2820円で引けた。

 規模別には小型株の戻りが大きかった。マザーズ指数も先週に引き続き6.06%の大幅な上昇となった。投資家のリスク回避度が低下している。業種別には、海運・鉄鋼・ゴム製品などの上昇が目立った。国際商品市況が反発していることを好感しているようだ。一方で保険・証券・銀行など金融株が冴えない展開となった。

今週の予報

半導体製造装置業界:
四半期毎の受注額前年比マイナス幅は縮小し
「雨」→「曇」

雨 曇

 今週の日経平均株価はもみ合いの展開を予想する。米国FFレートが2.25%まで引き下げられ、実質金利はほぼ0%となった。これまでの「金融緩和催促相場」もひとまずは終焉を迎えたようだ。先週発表の米国経済指標は消費者信頼感指数など景気後退を示すものであったが、市場は反応薄であり、悪材料に対する耐久力も感じられる。日経平均株価は1万3000円台を目指すこともあろうが、この水準は1月から3月の間下値抵抗線であったため、素直に上抜けることは困難であろう。

 東京エレクトロン・アドバンテストなど半導体製造装置業界は買いの好機である。足元は半導体投資の絞り込みなど、半導体製造装置業界にとっては悪いニュースが流れている。ただし東京エレクトロンの四半期毎の受注額前年比は最悪期を脱した。PBRも低水準。ここは買いのタイミングを探る時期と判断している。

 パソコン用DRAM価格が下げ止まらない。代表的な512メガのスポット価格は1ドルを割り込んだ。半導体メーカーにとっては採算ラインを下回る水準であり、台湾の半導体メーカーは設備投資を絞り込み始めた。半導体製造装置メーカーの受注額も不振が続き、東京エレクトロンの第2四半期単独の受注額前年比はマイナス36.9%となった。株価も昨年6月高値9410円を付けた後は一方的に下落、3月には5500円台と約40%下落した。