実用ライフスタイル雑誌の「ダイヤモンドQ創刊準備1号」(10月2日発売)では、入居率や介護体制などを基に全国2571施設をランキングし、上位に入った老人ホームを訪問取材した。シリーズ第6回は、北海道の上位施設を見てみよう。

北海道の介護型1位は「ネクサスコート真駒内」 <br />看護や機能訓練に力を入れる介護型1位の「ネクサスコート真駒内」は、“NOと言わないサービス”がスローガン。結果的に駄目でも「学べることが多いからだ」という

 高級住宅街として知られる札幌市南区。その一角に介護型で1位となった「ネクサスコート真駒内」がある。その街並みに溶け込むかのように、外装は高級マンションのような重厚感を醸し出している。部屋や食堂などの内装についても、自宅と変わらないような「ゆとりある空間」をつくることを重視しているという。

 手厚い看護体制を整えているのが特徴だ。24時間、日中は2~3人、夜中は1人体制で看護師が常勤・常駐する。かつて医療度がかなり高い患者の入居の打診があったときも、看護師が訪問医の指示を受けつつ対応し、入居を受け入れたことがある。

 理学療法士が常勤・常駐しており、医療面だけでなく、リハビリなど身体能力の維持・回復を含めて入居者を支援する。日々の生活でもタクシーの手配や旅行の企画など、コンシェルジュがきめ細かくサポートする。

 介護予防とレクリエーションの充実にも力を入れている。レクについては「これまで(施設からの一方的な)提供型レクが多かったが、ここ2年ほどは身体状況などによって参加型のレクを行っている」(大澤真由美施設長)という。例えば、料理一つとっても、北海道の名産であるトウモロコシも調理されたものを、ただ「食べる」だけでなく、その前の「房をむく」段階から行うことで入居者の満足感は高まる。「そうすると、次はもぎに行きたいと積極的になる。昔やったことができるというのはうれしいこと」(大澤施設長)。

 “NOと言わないサービス”がスローガン。時には無理と思われる要望もあるが、まずやってみることが重要というのが方針だ。