親あるいは自分が、有料老人ホームに入居する必要に迫られた時、どこを選べばいいのか。実用ライフスタイル雑誌の「ダイヤモンドQ創刊準備1号」(10月2日発売)では、入居率や介護体制などを基に全国2571施設をランキングし、上位に入った老人ホームを訪問取材した。第1回は、東京都の優良施設を紹介する。
「自宅の介護が難しくなった」「将来に備えて、早めに終のすみかとなる有料老人ホームを探しておきたい」……。そんなときに役立つ有料老人ホームランキングを作成した。
対象は入居定員21人以上、開設後2年以上を経過しているホーム。有料老人ホームには主に介護が必要な人向けの「介護型」と、自分の身の回りのことはできる人向け、または健常者でも要支援、要介護状態の人でも入れる「自立混合型」がある。ランキングも「介護型」「自立混合型」に分けて作成している。さらに、件数が多い東京都と神奈川県の介護型は、5年総費用が2000万円以上と2000万円未満に分けている。
次ページの表は東京都の老人ホームランキング(介護型)の抜粋である。東京都は全国で一番、有料老人ホームが集積する地域。ランキング上位には、看護師を24時間常駐させたり、介護職員の教育や定着率向上に力を入れたりするホームが並んでいる。
5年総費用2000万円以上の介護型で1位となったのは「アリア等々力」。ベネッセスタイルケアが展開する有料老人ホーム6ブランドの中でも、最高グレード・アリアシリーズの一つである。
標準入居一時金2600万円、月額利用料27万円で、近隣に住んでいた富裕層が集まっている。茶系でそろえたクラシックな家具や有名美術家の装飾品、ブランド物の食器に囲まれた生活を送る。ひのき風呂は香りの良さが人気という。
評価は「個別機能訓練」を取り入れていないこと以外は、満遍なく高得点だった。特徴は、24時間看護師を常駐させていること。認知症ケアに対しても専門的な知識とスキルを持つ日本看護協会の認定看護師が対応する。
介護職員の定着率が高く、5年以上の勤務者が55%居る。無資格者は雇用しない。いつも同じ介護職員が担当するという担当制を敷き、買い物や散歩などにも時間を割く。