私たちが思っている以上に、仕事上のちょっとした工夫が、成果や評価に大きな差をうんでいた?!世界一のコンサルティングファームで世界7ヵ国のビジネスに携わった著者が、社内外の“できる人”たちの仕事の鉄則をまとめた翻訳書『47原則 世界で一番仕事ができる人たちはどこで差をつけているのか?』(原著タイトル“THE McKINSEY EDGE”)より、今日からでも役立つ成功原則の一部を紹介していきます。
今日のお題は「To-Doリストを4マスに分類する」。すぐさま手を付けなければならない「現在」の活動と、「未来」を見据えた目標の両方が確認できる強力なツールがあるのです!

 日々の「To-Do(やること)リスト」をきちんと整理するために一番いい方法は何でしょう?

「現在」の活動と「未来」の目標の両方を<br />意識できる“使える”4マスTo-Doリストとは?目先の仕事をこなすためだけのTo-Doリストを作ってしまっていませんか?

 私がコンサルティングファームの見習い期間中に早々に身につけた、とても重要な習慣があります。それは、あるプリンシパルに倣い、「To-Doリスト」を4つに分類することです。

 彼はシニア・プリンシパルで、整理の達人でした。クライアントとの会議をすっぽかしたことは一度もなく、予定されているアポイントをずらしてもらうことさえめったにありません。さらに、チームメンバーの誕生日の3週間前になると、プレゼントを準備するために、ほかのチームメンバーにメールを送りました。

 どうしてそんな芸当ができたのかというと、4マスに分割された「To-Doリスト」という、強力なツールがあったからです(図参照)。

「現在」の活動と「未来」の目標の両方を<br />意識できる“使える”4マスTo-Doリストとは?「4マス方式」To-Doリストの記入例

4個のマス目は左上から反時計回りに、<現在の仕事><プライベート><新たな学び><(将来の仕事のための)今週の新たな業務>と分類されています。

「4マス方式」が優れているのは、左側はおおむね現在の活動に注目し、右側は未来に注目している点です。また、未来をさらに2分割することにも明確なメリットがあります。

 さまざまな仕事に関わり始めると、自分の成長のニーズがどの分野にあるのかを見失いがちです。上下に2マスあるので見比べて確認もしやすく、現在手がけているプロジェクトと目標との整合性も図りやすくなります。

 左下に当たる<プライベート>欄も非常に重要です。例として挙げた図表中では、運動習慣の大切さを自分に言い聞かせるために、“運動”を強調しています。お祝いに内緒で花を買って帰るなど、家族の大切な行事も忘れずに書き留めるといいでしょう。

 To-Doリストを4マスに整理する作業は、簡単で、かつ直感的にできます。次元の違う事柄について、最新の情報を頭に入れ、重要な行動を忘れないための単純な備忘録です。

 例えば、<新たな学び>欄が空欄なら、成長の構想が欠けていることを知らせる警報になるはずです。このリストを毎週見直して更新し、完了した項目は棒線で消しましょう。<現在の仕事>欄に書き込みすぎないように注意してください。今すぐやるべきことを詳しく書く場合は、毎日使っている手帳を使いましょう。

 このリストをクリアファイルに入れて持ち歩き、毎週取り出して確認しましょう。

 かつて、投資家のウォーレン・バフェットも「自分が選んだ株が、目標と比べて成功しているか失敗しているかを、毎年必ず評価すること」を提案しています。やることリストの場合は、目標を達成できたかどうか随時評価してください。

 最後に、To-Doリストは職場に着く前に作っておくのが理想です。朝、オフィスでやることリストを作っている人をよく見かけますが、あれは時間の無駄です。