京都橘高校吹奏楽部前顧問・吹奏楽指導者
1958年生まれ。大阪音楽大学卒業後、音楽教師になり、公立中学校に12年間勤務の後、1995年に京都橘高等学校に赴任。以降23年間、顧問として吹奏楽部を指導し、全日本マーチングコンテスト常連校へと成長させる。
近年では07年より3年連続全国大会出場(08年、09年は金賞)、11年全国大会出場、12年NHK吹奏楽バトル優勝、14年、15年にも連続で全国大会出場。15年には金賞受賞。
また、日本で唯一アメリカ合衆国のローズパレード(集客規模100万人)2回出場などの実績を残す。2018年に退職し、現在吹奏楽プランナーとしてさまざまな吹奏楽団体を指導するかたわら、京都府舞鶴市で吹奏楽フェスティバルを開催し、FMまいづるで「田中宏幸の吹奏楽のセカイ」の番組を持つなど、音楽によるまちおこしに取り組む。2020年のコロナ禍で、活動が行えない吹奏楽団体を支援する「#吹奏楽を止めるな」を、ラジオ番組とSNS上で展開している。
発売1週間でたちまち重版決定! マスコミも注目の新刊!
【YouTube総再生回数1億回以上!】
福山雅治さん、所ジョージさん等、著名人も絶賛する吹奏楽部の成長の秘密が明かされます!
【著者からのメッセージ】
オレンジの悪魔との23年間を初公開します
はじめまして。田中宏幸です。
このたび、『オレンジの悪魔は 教えずに育てる』を出版しました。
私が23年の歳月をかけて、弱弱指導という指導法を実践してきたのは、京都橘高等学校吹奏楽部。「オレンジの悪魔」と言ったほうが、ピンとくる方が多いかもしれません。
全日本マーチングコンテストの常連校であり、2007年から3年連続全国大会出場を果たし、08年、09年、15年は金賞を受賞。NHK Eテレ スクールライブショー 吹奏楽バトルで優勝し、100万人の集客を誇るアメリカのローズパレードに日本で唯一、複数回の出場。
こうした数字を並べるまでもなく、所ジョージさん司会の日本テレビの『笑ってコラえて!吹奏楽の旅』や、福山雅治さんが全国高校野球選手権大会の第100回大会のために制作した『甲子園』のミュージック・ビデオに登場する“跳躍するマーチングバンド”として、「ああ、あの京都橘ですね」という方も大勢います。
ユーチューブで知ったという声も多く、演奏しながら走り、飛び跳ね、踊る様子は、「これはスポーツだ!」「信じられない!」「見るたびに元気が出る!」と、国内外に熱狂的なファンを生んでいます。無数の動画の中には、1000万回を超えて再生されるものもあるほどです。
笑顔のパフォーマンスは、どのように生み出されるか
90年代にできたオレンジの悪魔たちの形容詞に「橘スマイル」があります。今では京都橘高校全体を表す言葉になっていますが、オレンジの悪魔たちがやるのは「世界一体力を使うマーチング」です。
アフロキューバンで鳴らしまくるトランペット奏者、ガレスピーの「マンテカ」、アップテンポの「エル・マンボ」、橘の定番ともなっている「シング・シング・シング」と「スウィング・スウィング・スウィング」の合わせ技……。これらの演奏に合わせて、悪魔たちは飛び跳ねたり、立ち止まったり駆け足になったり、足を上げて踊ったり、とにかく猛烈に動きまくります。
マーチングバンドとして全員がそろって動くのですから、生半可なことではありません。
心からの本物の笑顔ならなおさらです。
「笑って」と誰かに言われて、つくった笑顔は嘘になる。
私はそう信じているから、人に「笑いなさい」とは言いません。
人は「がんばれ」と言われたからがんばるのではなく、自分ががんばりたいから、がんばる。
私はそれを知っているから、人に「がんばれ」とも言いません。
「自主的に努力しなさい」とリーダーが指示をしたら、どんな素晴らしい努力をしたとしても、自主的ではなくなってしまいます。「人を動かす」なんて思い上がりだし、仮に動かせたところで、最高の結果にはならないでしょう。
「やる気を引き出す」という指導法もあるとは思いますが、そもそも「やる気」というのは、その人の内側から自然に湧いてくるものではないでしょうか?
教えない。
指示しない。
近づかない。
口を出さない。
これこそ私が23年の歳月をかけて編み出した、弱弱指導という自律性を育む指導法です。
誰もが本来持っている、「自分の頭で考えて動く力」を発揮させるための、ちょっとした、でもとても大切な秘訣でもあります。その秘訣を、本書では読者の皆さんに悪魔たちの秘話とともにご紹介していきます。ぜひ、お手にとってお読みください。
弱い人が弱い人を教えるから、揺るがない本物の強さになる。弱い人が弱い人に応えるから、つくりものでない笑顔が生まれ、自信と力がつく。
こうした弱弱指導の効果―素晴らしさ、輝きは、京都橘のパフォーマンスにもはっきりと表れていますが、マーチングバンドのみならず、あらゆる分野で応用可能なことだと私は考えています。
たとえば……。
●若手社員の指導で困っている人
●チームビルディングに携わっている人
●接客・販売業など女性が多いチームのリーダー
●多様性を尊重するチームをつくりたい人
●自ら挑戦する力を部下・後輩につけてほしい人
このようなニーズを持つビジネスパーソンに、すぐに使えて長く役立つ、具体的な方法論をお伝えできるはずです。若い人を率いる若いリーダーだけでなく、「今の若い人はわからない」と途方に暮れるベテランのリーダーにも、15歳から18歳のティーンエイジャーという“若き悪魔”たちと取っ組みあって編み出した知恵をシェアしていきます。
さらに、京都橘はもともと女子校であり、“オレンジの悪魔”たちのほとんどは女性です。公平さと細やかな気配り、厳しさと柔らかさをどう配分するかについて、私なりにずっと心を砕いてきました。
本書で紹介するのは、長年の経験から編み出された女性の指導法でもあります。いかなる組織にも古くからあり、近年盛んに議論されているダイバーシティやジェンダーの問題を、みなさんの組織やチームにおいてどう扱うか、あらためて考えるきっかけにもなるでしょう。
そして言うまでもなく、私の本分は教育者であり音楽家です。
●教師、コーチなどの教育関係者
●自分で考えて動く子どもに育てたい保護者
●吹奏楽、マーチング、音楽にかかわる若い力を応援したい人
もちろん、こうしたみなさんのためにも本書はあります。
これらのノウハウを、オレンジの悪魔たちの秘話とともにお伝えしていきます。ぜひ、本書を手に取ってお読みいただければと思います。
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】
吹奏楽に革命を起こしたとされる普通の高校生たちは、どのように育ったか、知りたくありませんか?
●最高の人気を誇るマーチングバンドの、その内側を語る初めての本です!
●若者が大人になるための成長を考えぬいた異色の指導者の本です!
●吹奏楽の話題とともに語られる、本当の感動、本当の楽しさ、本当の人の絆の秘訣!
(目次)
第1章 がんばっているのに、全国屈指のマーチングバンド伝統校は、なぜ落ち込んでしまったのか?
第2章 苦しい時期に、カリスマじゃないリーダーが、指導や口出しを我慢してやっていたこと
第3章 ちょっと弱い先輩が、もっと弱い後輩を教える「弱弱指導」で道が拓けた!
第4章 自分で考えて動くためのサポートに徹する「弱弱指導法」虎の巻
第5章 ここでしか味わえない経験をさせる! 最高のプロデュースをするのはリーダーの仕事
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