あらゆる生活シーンにおいて、欲求=WANTSは人間の行動や情動の源泉であるにもかかわらず、私たちは普段、どのように欲求が人間の生活や社会に影響しているかなどとは考えない。それは無意識の世界で起こることだからだ。しかし筆者は、つねに無意識の情動である人間の欲求と対峙して、その道筋をどうつければ、どんな感情を、どういうふうに導き出せるか、の試行錯誤を繰り返しながら仕事を続けてきた。現在、筆者が取り組もうとしているメディアデザインの応用開発を示すべく、現代人の欲求=WANTSに新たな光を当てて、《WANTS起点》で時代を切り開くイノベーションへの筋道を示してみたい。