国税最強部門、
「資料調査課」出身だから書けたこと
私の本業は税理士です。顧客の税務相談、税務申告の代理、税務調査の立会などを生業としています。 そんな私が、なぜ本を書くようになったのか? 拙著「税金亡命」が誕生するまでのお話をさせてください。
この「税金亡命」は日本と香港が舞台になっています。香港はアジアでトップクラスのタックスヘイブン地域です。日本居住者が、資産運用、資産回避、ときには脱税のために利用しているタックスヘイブンです。物語は租税回避から始まり、キャピタルフライト、そして脱税者自身までもフライトしてしまう「タックスエグザイル」に展開します。
仕事で香港に行くことが多く、現地のファンドハウス、プライベートバンカー、公認会計士、保険会社、日本からアウトバウンドで香港に進出した経営者などと、数多くのミーティングを重ねてきました。租税スキームのリーガルチェックも受任してきましたが、クオリティの高いものばかりではなく、なかには、ただの脱税に近い残念なものが散見されました。
本来の「租税回避スキーム」は、A国の税法で考え、B国の税法で考え、A国とB国との租税条約で考え(3か国以上に及ぶものもある)、そこにある「ループホール」を見つけて構築します。いわゆる、「国際二重非課税」となる利益移転を仕組む訳です。どこの国からも、あるいは高税率国から課税されない仕組みを作って、納税者の利益最大化を図るわけです。
小説を読まれる方は、専門家だけではありません。したがいまして、高度な租税回避スキームを作品の中で展開しても、理解どころが一般専門書になりかねません。そこに注意して出来るだけ身近にありそうな、専門家以外でも想像しやすいような材料で書き上げました。「税金亡命」は国際税務事件などの入門書として興味をもっていただけたらと思います。
「へぇ、そんなことがあるんだね」という本にしたかった。国税、富裕層(脱税者)、国税OB税理士という対立軸の中で、それぞれの思いが交錯し、グローバルな物語が描けたと思います。
【タックスヘイブンの実情に迫る衝撃作】
国税最強部門、「資料調査課」出身の著者が描く、衝撃のリアルノベル。
知られざるタックスヘイブンの真実とは?
<ストーリー概要>
日本とアジア一のタックスヘイブン、香港を舞台にした脱税事件の物語。
・脱税を取り締まる国税
・脱税に手を染める富裕層
・脱税の手引きをする国税OB税理士
この三者の攻防戦が描かれる。
事実、マルサでも手出しできない巨悪脱税事件では、国税OBが裏で糸を引いていることもある。虚々実々の駆け引きの末、最後に笑うのは誰だ!?
ハンドキャリーによるキャピタル・フライト、金融システムを活用した脱税資金の出口戦略など、オフショア利用者の「常識」が散りばめられている。
マルサでも手出しできないような、大口、悪質、海外、宗教事案を調査してきた著者だからこそ描ける圧倒的臨場感。その衝撃のストーリーとは?
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