進学校化で受験者が急増、よみがえった日本工業大学駒場(東京・目黒区)

最も多く見られる「隔年型」

 2023年中学入試はどうなるのか。この7月までの四模試(四谷大塚、日能研、首都圏模試、サピックス)への参加者数を見る限り、前年比で微減傾向にあるものの、不確定要因も残るため、この秋に実施される模試への参加状況から、その動向を改めて判断することになりそうだ。

 ということで、現段階では23年の各校入試の動向を予測する状況にない。そこで視点を変えて、東京・神奈川での初回入試を中心とした各校の主入試について、その型(パターン)を読み解くことで、競争状況を予測する一つの材料を提供していきたい。

 今回は男子受験生を対象に、119校について見ていこう。受験者数の増減を基本に、実倍率変動の影響も加味して「型」分けした。

 その上で、ここで示す七つの型と該当校の数を一覧すると、毎年のように増減を繰り返す「隔年型」31校、この5年間に概ね増加傾向が続いている「逓増型」8校、コロナ禍の21~22年に、それ以前より受験者数が跳ね上がった「急増型」14校、例年あまり変動しない「安定型」7校、20年前後にピークを迎え22年は低下気味の「山の字型」34校、20年前後を底に回復傾向にある「回復型」15校、概ね減少傾向が続いている「逓減型」10校といった状況である。

 まず「隔年型」から。

 毎年きれいに受験生数の増減を繰り返す典型例として、共学校の中央大学附属(第1回)がある。18年から22年の5年間について、順に受験者数(実倍率)を見ていくと、203人(2.82倍)、187人(3.12倍)、216人(3.48倍)、170人(2.83倍)、216人(3.13倍)といった具合に、実倍率の振れ幅も大きい。女子受験生も同様の傾向にある。

 難関男子校では2日午前の聖光学院(第1回)も典型例といえる。640人(2.67倍)、618人(2.71倍)、697人(3.02倍)、596人(2.70倍)、620人(2.84倍)となっており、23年はいささか緩和傾向となるかもしれない。男子上位校では、1日午前の本郷(第1回)を挙げておこう。390人(2.73倍)、474人(3.25倍)、452人(2.72倍)、497人(2.75倍)、483人(2.89倍)となっている。22年は受験者数が減っても実倍率が上がっている点に注目しておきたい。

「隔年型」の場合、きれいに隔年で増減せず、2年続けて増減もしくは前年並みという例も見られる。男子難関校の麻布は917人(2.43倍)、998人(2.65倍)、971人(2.54倍)、844人(2.24倍)、890人(2.40倍)と受験者数の増減がとても大きい。

 男子中堅校の高輪(A日程)も増減幅が大きいようで、276 人(2.34倍)、262人(2.18倍)、322人(2.80倍)、341人(3.10倍)、288人(2.64倍)となっており、23年は増加するかもしれない。