明治期の養育施設「仁慈堂」など、学園150年の歴史を展示したコーナー

原点は「一人一人を大切にする」

――先ほどご案内いただいた講堂ロビーの展示コーナーで、修道会の歴史にも触れておられました。

木下 女子修道会「幼きイエス会」の創設者はフランスのニコラ・バレ神父です。フランス革命前の貧富差が激しい社会で、貧しい子どもたちと出会って小さな学校を始めました。どの子もかけがえのない存在として、一人一人を大切にするのが原点でした。そして、その姿勢は400年近くたった現在まで脈々と受け継がれています。

――学園全体にキリスト教的な雰囲気がある印象を受けます。

木下 朝や帰りの教室での祈りの時間などはありますが、むしろ、どんな生徒もありのままに受け入れ、それぞれを伸ばし合おうとする学園の雰囲気こそ、創始者の教えがいまに受け継がれている証拠だと思います。

 ですから、生徒たちはそれぞれの関心に基づいて、模擬国連や地理検定、物理オリンピック、英語弁論大会ほか、さまざまなコンクールなどに自分からチャレンジしています。

――英語にはやはり力を入れているのでしょうか。

木下 一般の英語も英会話も、1クラスを半分に分けて授業を行っています。ネイティブの教員が4人いて、どの学年にも配属されています。高校の英語は、日本語を全く使わない授業です。

――隣にある姉妹校のインターナショナルスクールのお話については、また次回おうかがいいたしましょう。

150年前、マレーシアやシンガポールを経由し58歳で来日した学園創始者 マザー・マチルドの肖像画(左)と、来日150周年のポスター(右)
拡大画像表示