男子中高一貫校が上位を席巻する中、ベスト10入りした紅一点、桜蔭(東京・文京区)

“私多公少”の「国公立医学部合格力」

 なぜ、成績最優秀層は医師を目指すのか。高収入や社会的ステータスの高さ、定年なく現役で活躍できるとはいえ、労働負荷は一般に高い。医学の進歩に合わせて生涯学び続けなければいけない点が、かえって向上心の強い医学部志望者の心をつかんでいるのかもしれない。

 東京大や京都大に合格可能であっても、国公立大を中心とした医学部医学科を選ぶ受験生も少なからずいる。とりわけ全国最難関クラスの私立中高一貫校からは「東大離れ」を危惧する声も漏れ伝わるのだが、なんともぜいたくな話である。

 全国高校ランキングでは三つの合格力を算出している。上位に国公立大志向が強い関西圏の学校が並ぶ「国公立100大学合格力」は“西高東低”であり、東京と神奈川がベスト50のほとんどを占める「難関私立大学合格力」では、逆に“東高西低”となっていた。今回の「国公立医学部合格力」は、いずれとも様相が異なり、“私多公少”が際立っている。

 注目すべきは、久留米大学附設だろう。前々回6位、前回2位から今回1位になった。意外性がないように見えるかもしれないが、その合格力は前回の21.3から29.3へと爆上げしている。国公立合格者合計数が65人から90人に増えたことが大きい。

 その半面、前回と前々回に1位だった灘は今回7位に下げた。久留米大附設とは対照的に国公立合格者数が81人から50人に激減している。それにしても、卒業生比で半分近くが国公立医学部に合格した久留米大学附設には、尋常ならざる迫力を感じてしまう。

 国公立の医学部医学科は50大学(うち公立8大学)にある。首都圏の学校がランク内に少ないのは、エリア内にある国公立医学部の数の差が影響していると思われる。首都圏1都3県には4、関西圏2府4県には8、九州・沖縄8県にも8、北海道には3と、人口比を考えると首都圏の少なさが際立つ。

 前回ランキングを参照すると分かるように、ベスト10の顔ぶれはあまり変わらない。今回は国立男子校である10位筑波大学附属駒場(筑駒)を除けば、いずれも私立の中高一貫校である。筑駒も含め男子校が7あり、女子校は6位桜蔭のみ。残る2つの共学校にしても、元は男子校だった。ということで、やたらと“男くさい”のが、この「国公立医学部合格力ランキング」ということになる。