わが子を「御維新の士族」
にしないために

――最後に、改めて子どもの受験を控えた親御さんへのメッセージをお願いします。

 今の子どもたちが30代・40代を過ごす時代は、すでにシーソーが倒れた後です。今の偏差値信仰の価値観が通用しない時代の中で、子どもたちは生きていくことになります。

 私が一番心配しているのは、江戸時代の末期に一生懸命、昌平坂学問所に入ろうと論語を丸暗記していた武士のようになることです。30歳でいざ御維新、となったとき、その努力はどこへ行くのか。今、まさにそういう変わり目に差し掛かっています。

 ただ、変わり目というのは、変わる方向に気がついている人にとっては競争相手が少ない分、大きなチャンスでもあります。渋沢栄一も岩崎弥太郎も、維新がなければただの「跳ねっ返り者」で終わっていたかもしれない。

 変わり目というのは、それまで弾かれてきた人たちに最大のチャンスをもたらすものです。みんなが行き詰まる方向に向かって頑張っているときに、別の道が見えていれば、それほど突出した能力がなくても前に進める場合がある。

 私自身、40年前にコンサルタントという当時はまだマイナーな世界を選んだことで、そういう恩恵を受けてきたと感じています。

 偏差値への信仰を手放し、子どもたちが本当に価値を生み出せる力を育む。その覚悟を持つことが、今この時代に親として最も大切なことだと、私は信じています。

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