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日本共創プラットフォーム代表取締役会長 冨山和彦氏

学校選びの視点
言語能力と「お祭り」が鍵

――現在の時代背景を踏まえて、どんな学校を選ぶべきでしょうか。

 2段階で考えるといいと思います。まず初等・中等教育の段階では、言語能力をしっかり鍛えることが最優先です。論理的な言語能力、つまり論理国語と数理言語(数学)です。これがないと、そもそもゲームに参加できない。AIを使うにしても、論理的な問いを立てられなければ、筋道の立った答えは返ってきません。

 日本の初等教育は世界的に見てもレベルが高く、PISAのテストでも上位を維持しています。これは大切にすべき強みです。言語能力は反復訓練によって育まれるもので、論理的な文章をたくさん読み、書いてきた人が論理的になる。AIとやりとりしているだけでは鍛えられません。

 一方で、感性や情緒の面については、教室の中よりも課外活動の中で育まれるものだと感じています。演劇や映画制作、みんなでプロジェクトを組む体験。文化祭や音楽祭を大切にしている学校がいい、というのはそういう理由からです。

 そうした課外活動を制限して詰め込み教育をしたところで、偏差値にして5ポイント上げるくらいの効果しかないでしょう。たった5ポイントのために青春のすべての時間を費やすのは、後になって大きな代償を払うことになります。

──かつて日本の教育が「ゆとり教育」に振れた時代がありました。

 ゆとり教育が問おうとした問題意識は、間違っていなかったと思っています。ただ、「生きる力を育む」というメッセージがあまりにぼんやりとしていた。

 AIの登場によって、その輪郭がはっきりしました。AIにできることは価値がなくなる。逆に言えば、AIにできないことだけが人間の付加価値になります。東大入試の問題を最高点で解いてしまうAIが登場した今、偏差値型の「いい子」では太刀打ちできないことが、誰の目にも明らかになったのです。