こういう学校では、ある程度「手を抜く技術」を身につけないと持ちません。真面目にすべての宿題をきっちりとやろうとする子は、完全にパンクしてしまう。真面目さが裏目に出るのです。
部活の在り方も、学校によってまったく異なります。部活の時間を最大で週3回までに制限して勉強優先にする学校もあれば、体育会系の部活で朝から夜までほぼ毎日活動している学校もある。
スポーツに打ち込みたい子が勉強優先の学校に入れば物足りなくなるのはもちろん、先輩との付き合いが苦手な子が上下関係が厳しい体育会系の部活に入ってしまうと、それだけで消耗してしまいます。
本人の性格や気質といったものが、志望校の校風に合うのかどうか、事前によく調べておいてほしいと願う理由です。
後悔のない充実した中高6年間のために
必要な親の姿勢とは
その一方で、子どもたちには新しい環境に順応する力もあります。
すぎうら・ゆみこ●ノンフィクションライター、ジャーナリスト。教育や受験、親子関係をテーマに取材・執筆活動を行う。親子の世代間ギャップや承認欲求など、現代の親子のリアルな心理や学校の最新事情に迫る、足で稼いだ独自視点の記事が人気。著書に『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)、『女子校力』(PHP新書)など。
ある女子校では、部活の先輩にお菓子を「差し入れ」」と称してプレゼントする独特の文化があって、お母さんは呆れていたのですが、当の娘さんは「なんかおもしろかった」と笑って受け入れていました。
12歳という年齢だからこそ、学校独自の文化にもすんなり染まれるということも大きいでしょう。高校から入学した子にとっては「何これ?」と感じてしまうことでも、中学から入ると素直に「そういうものか」と受け止められることもある。
入学する年齢と文化へのなじみやすさは、切っても切れない関係があるようです。
せっかくの合格を「ゴール」で終わらせないためにも、偏差値だけでなく、日々の学校生活との相性を見極める視点が欠かせません。
事前の入念なリサーチを行いつつも、時には新しい環境を楽しむ子どものたくましさを信じて見守る。そんな柔軟でおおらかな親の姿勢こそが、後悔のない充実した中高6年間へとつながっていくのではないでしょうか。
