
永井浩二
最終回
野村のトップに就き、構造改革を推進してきた永井浩二・グループCEO。トップ就任から5年経った今感じる、構造改革の難しさ、トップの在り方について聞いた。

第3回
政府は長年、「貯蓄から資産形成へ」を掲げ、金融庁もその方針で金融機関に働きかけを行っている。マスメディアも「貯蓄から資産形成への取り組みの遅れが、そのまま日本経済の再生の遅れにつながっている」としている。このテーマは、国民の資産形成だけでなく証券業界の事業戦略にも深く絡む問題なので、野村證券の事業戦略と関連付けながら考えをまとめておきたいと思う。

第2回
私は、2012年4月に野村證券の社長に就任した。しかし同じ年の8月にはHDのグループCEOが辞任したのを受け、私がグループCEOも兼務することになった。当然ながら十分に気持ちの準備ができていたわけではなかった。しかし同時に、これはチャンスであるとも思った。常道での異動であれば前任者が築いた仕組みや風土はなかなか改革しづらいが不祥事を契機としてのことなので、それまでの常識に対してゼロベースで検証し、改革の施策を打てるからだ。

第1回
野村ホールディングスの構造改革が加速している。けん引してきたのは永井浩二・グループCEOだ。社員による情報漏えいという不祥事をきっかけに野村證券の代表執行役社長を兼務しての改革だった。そのリーダー論や組織改革への思いを語ってもらう。
