高英起
米朝首脳会談で「非核化・経済優先」路線への転換を掲げた北朝鮮の“後戻り”は難しそうだ。平壌市内や中国国境では不動産取引が活況で、人々の生活にも資本主義経済が根付き始めている。

北朝鮮が国連の度重なる制裁決議にもかかわらず、核・ミサイル開発を続けるのには理由がある。米国と対等の「核保有国」になることが、米国に体制存続を認めさせることができる唯一の道であり、国内でも自らを権威づける最大の手段だからだ。

ミサイル発射で武力挑発を続ける北朝鮮だが,その開発資金を支えているのが、かつての闇市場から発展した草の根の経済だ。最近では携帯ビジネスや外貨仲介などのビジネスが行われている。国家財政も「管理費」などの名目でそこから資金を吸い上げているから、ミサイル開発のため自由化を止めようにも止められないジレンマを抱える。
