ノーベル賞マチャド氏、ベネズエラ政変で「蚊帳の外」Photo:Jesus Vargas/gettyimages

 ベネズエラの野党は3日朝、高揚感に包まれた。独裁者ニコラス・マドゥロ大統領が米国の手で強制的に排除され、野党指導者のマリア・コリナ・マチャド氏に権力を握る道が開かれたことを知った。

 ドナルド・トランプ米大統領は数時間後、この考えに冷や水を浴びせた。マチャド氏はベネズエラの指導者となるのに十分な尊敬や支持を得ていないと述べたのだ。トランプ氏は代わりにマドゥロ氏の最側近の1人、デルシー・ロドリゲス副大統領に政権移行を主導させることを決め、同国の石油産業を米国が引き継ぐ考えを示した。

「あの演説ほど(マチャド氏率いる野党の)運動のイメージを急低下させたものを見たことがない」。ベネズエラに関する著書があるアマースト大学の政治学者ハビエル・コラレス氏はこう述べた。「あれは大惨事だ」

 ベネズエラの野党は、「チャビスモ(チャベス主義)」に対する四半世紀に及ぶ闘いの中でも特に大きな試練に直面している。チャビスモは、ウゴ・チャベス前大統領の政治思想を受け継ぎ、マドゥロ氏が主導してきた左翼運動だ。

 マチャド氏率いる野党勢力は、国内で依然として抑圧的体制に直面するだけでなく、トランプ政権に対峙(たいじ)しなければならない。トランプ政権はベネズエラで選挙を実施し、民主主義を回復することよりも、米国の石油資源確保と西半球支配の強化に焦点を合わせている。

 マチャド氏は12月に 母国を脱出する極秘作戦 を決行し、ノルウェーに到着してノーベル平和賞を受け取ったことで世界から脚光を浴びた。だが現在国外にいる彼女は、再び存在感を示す方法を見つけなければならない。

「マチャド氏が近いうちに政権入りする可能性はない。自由で公正な選挙が行われない限りは。それは今のところ議題に上っていない」。トルコの元駐ベネズエラ外交官で、現在はフロリダ国際大学ジャック・D・ゴードン公共政策研究所の研究員であるイムダット・オネル氏はこう述べた。「絶好の機会は失われつつあり、彼らにできることはあまりない」