
スティーブン・ギブンズ
今年もまた6月の株主総会で7つの「アクティビスト」ファンドが31社の日本企業に対して提出した株主提案全てが、大差で否決された。20年以上にわたって、アクティビスト・ファンドによる株主提案は、可決に必要な票数を確保できていないのである。

キリンホールディングス株式会社(以下、「キリン」)とソフトバンクグループ株式会社(以下、「ソフトバンクG」)が今年3月に取った「アクティビスト(物言う株主)」への対照的な対応は、新型コロナ危機がもたらした予想できない変化の中で、日本のコーポレートガバナンス(企業統治)の現状を切り取ったスナップショットのようである。

東証第1部の化学品メーカーのADEKAが株式公開買い付け(TOB)により、同じく東証1部の日本農薬の株式所有割合を23%から51%に引き上げ、「上場子会社化」した。これに対し、少数株主や海外株主から反発の声が相次いでいる。
