大木祐悟
きちんとした管理がなされず老朽化が進むマンションが、一部で社会問題になりつつある。建替えや敷地売却などを行う「マンションの終活」とはどういうものなのか。そして、実現するためにはどのような課題があるのか。前回に引き続き、旭化成不動産レジデンス マンション建替え研究所の大木祐悟副所長が解説する。

老朽化マンションの建替えや敷地売却などを行う「マンションの終活」が注目を集めつつある。わが国に分譲マンションが誕生してから今年で67年にすぎない。建築の専門家によれば、きちんと施工され、管理も適切にされているマンションであれば100年はもつといわれている。にもかかわらず、国土交通省が公表しているデータでは、2019年4月現在において、すでに約270件のマンションが建替えられている状況だ。なぜこれほど多くのマンションが建替えられているのか。そして、マンションの終活を進める上で、どのような課題があるのか。
