
ゲイリー・ハメル
企業における官僚主義の撤廃と生産性の向上こそ、国の経済に寄与する――これが筆者らの一貫した主張だ。マネジャーと管理・間接業務者の多さ、そして社内規則を順守するための作業は、どれほど膨大な損失となっているのか。

官僚主義はなくなるどころか、かつてなく強化されている
経営革新を研究・支援するゲイリー・ハメルとミシェル・ザニーニによれば、米国では「管理職の増加」に官僚主義の増大を見て取れるという。一貫して続くこの現象は、組織と経済にとって「ガン」である、と筆者らは警告する。

「脱官僚的なマネジメント」を「トップダウンによる変革」で進めることの矛盾を、ハメルが鋭く指摘する。ザッポスの「ホラクラシー」もその例だ。新たなマネジメント手法を探り導入する、最善の方法とは何か。

現代経営思想の大家ゲイリー・ハメルが、サービスの革新に成功した米医療機関の事例を紹介。自著で経営の5大課題に挙げている「理念、イノベーション、適応力、情熱、イデオロギー」が、すべて凝縮されたようなエピソードだ。

『コア・コンピタンス経営』『経営は何をすべきか』などマネジメントの本質を常に問い続ける経営思想家ハメルは、リーダーシップについて単純で明快な前提を示す。「権力がなくても人を導き、偉大なことを成し遂げる資質」を持っていることだ。そして権限を越えた成果を上げる真のリーダーには、8つの役割が求められるという。

ゲイリー・ハメル教授がディレクターを務める「マネジメント・イノベーション・エクスチェンジ」(MIX)は、新時代のマネジメントを再発見するためのオープン参加型プロジェクトだ。2011年12月~2012年2月にかけて、官僚的組織を変革するアイデア・コンテストが開かれた。開催に先立ち、ハメル教授はブログで参加者を募集した。その呼びかけには、いまマネジメント変革で最優先すべき課題が如実に表れている。

ゲイリー・ハメル教授がディレクターを務める「マネジメント・イノベーション・エクスチェンジ」(MIX)は、新時代のマネジメントを再発見するためのオープン参加型プロジェクトだ。2011年12月~2012年2月にかけて、官僚的組織を変革するアイデア・コンテストが開かれた。開催に先立ち、ハメル教授はブログで参加者を募集した。その呼びかけには、いまマネジメント変革で最優先すべき課題が如実に表れている。

自主管理を徹底する世界最大のトマト加工業者マネジャーをつくらない会社
マネジメントがマネジャー抜きで実践できれば、素晴らしいことだろう。マネジャーがいなくても、調整が可能で統制を保ちながら、自由と融通性を享受できるのである。こんな夢のようなマネジメントを実践しているのが、世界最大のトマト加工業者のモーニング・スターである。同社の新しいマネジメント・モデルの未来を探る。
