八神啓太
セブン&アイ・ホールディングス(HD)は2021年2月期通期決算説明会を、米国での大型買収が完了していないことを理由に先送りした。イトーヨーカ堂は一定の店舗リストラが進んだが、百貨店のそごう・西武は首都圏の大型店舗が大打撃を受け、再建はますます遠のく。これら深刻な問題への説明は今後、十分に尽くされるのだろうか。

ドン・キホーテはプライベートブランド「情熱価格」をリニューアルする。イオンやセブン&アイ・ホールディングスなど超大手の流通企業は、大規模な販売力を生かした低価格と品質の確保の両立を実現しているが、規模で劣るドンキには同じ戦略は採り得ない。逆転の発想で常識に挑戦するドンキの戦略を分析する。

ファミリーマートが展開する24時間営業のフィットネスクラブ「Fit&GO(フィットアンドゴー)」が事業譲渡された。ファミリーマートからの正式発表はない。筋トレマニアとして知られ、3月1日付で副会長となる澤田貴司社長が主導して始まった新規事業がなぜ撤退に追い込まれたのか、事業売却の背景を考察した。

ライバルを大きく上回る買収価格を提示し、ホームセンターの島忠へのTOB(株式公開買い付け)で11月に同意を取り付けたニトリホールディングス。唐突にもみえた買収劇だが、似鳥昭雄会長自身や幹部の過去の人事と発言を丁寧にたどれば、今に至る伏線が見えてくる。国内外で成長を続ける異形の家具大手の戦略と、その真意を解説しよう。
