濵口翔太郎
2015年に発売されたロボット「ペッパー」は一躍ブームとなり、多くの飲食店などが導入した。だが今では目新しさは薄れ、レンタル契約を終了する顧客企業が続出。提供元のソフトバンクロボティクスが生産を一時停止するに至った。かつて人気者だったペッパーはなぜ落ちぶれたのか。

旧態依然とした企業風土だった化学大手の三菱ケミカルが、成果主義やジョブ型の人事制度を採用するなど抜本改革に取り組んでいる。この4月には、親会社の三菱ケミカルホールディングス(HD)にベルギー人の新社長が就任。今後はしがらみのない新社長の下で、定年延長などの改革を加速させる。だが年功序列との決別を受け、ベテラン勢からは不満の声も漏れ聞こえる。6月に東京電力HDへと去る小林喜光会長の置き土産でもある人事改革は、果たして吉と出るか凶と出るか。

富士フイルムホールディングスが米ゼロックスとの統合交渉で決裂してから1年半。「富士ゼロックス」は60年弱の歴史に幕を閉じた。新たな事務機子会社として発足した「富士フイルムビジネスイノベーション(BI)」は、強力なゼロックスブランドを失った中で、今後どのように事業を拡大するのか。4月1日付で富士フイルムBIの社長兼CEOに就いた真茅久則氏に戦略を聞いた。

#6
コロナショックからの立ち直りが二極化する「K字回復」が自動車業界でも鮮明だ。トヨタとホンダ・日産に“格差”が生じ、その構図がサプライヤーにも伝播している。だが、成長への “種まき”である研究開発費はホンダ系が有利だ。他ケイレツが節約する中でコロナ前と同水準を死守し、復活の機をうかがっている。

シャープ子会社のカンタツで発覚した75億円の粉飾決算が、一時はV字回復を遂げたとみられていたシャープに暗い影を落としている。シャープから送り込まれた子会社社長は、なぜ不正に手を染め、発覚が遅れたのか。シャープのガバナンス体制に疑問符が突き付けられている。
