石川 誠
今年2023年、日本とASEAN(東南アジア諸国連合)は「友好協力50周年」を迎えた。節目の年を機会に、日本は対ASEAN関係を強化するスタンスを打ち出しており、9月には岸田文雄首相がインドネシア・ジャカルタで開催されたASEAN首脳会議に出席。日ASEAN関係を「包括的・戦略的パートナーシップ」に格上げし、経済、安全保障、環境対策などのあらゆる分野で共通の利益を得るための取り組みを一層積極化していく方針で合意した。

9月5日、タイでようやく新政権が発足した。タイでは5月の下院総選挙(定数500)で、国政を担ってきた親軍の2党(「国民国家の力党」40議席、「タイ団結国家建設党」36議席)が大幅に議席を減らした一方、軍の影響力排除を掲げた革新系の「前進党」(152議席)とタクシン元首相派の「タイ貢献党」(141議席)の2党で過半数を確保した。そのため、一時は野党8党が、前進党のピター党首を首相候補とする連立政権樹立構想で合意した。

インドの総人口は今年2023年に14億2800万人となり、中国の14億2500万人を上回って世界一に躍り出る(国連のデータによる)。そして、2022年度(昨年4月~今年3月)のインド経済は前年度比6.8%(IMFの1月時点予想)と、個人消費などの内需をけん引役に世界屈指の高い成長率となる見込みである。
