1億5000万人規模の
「アッパーマーケット」が出現
インドの総人口は今年2023年に14億2800万人となり、中国の14億2500万人を上回って世界一に躍り出る(国連のデータによる、注)。そして、2022年度(昨年4月~今年3月)のインド経済は前年度比6.8%(IMFの1月時点予想)と、個人消費などの内需をけん引役に世界屈指の高い成長率となる見込みである。
(注)別の機関のデータに基づいて、2022年末時点で既に中国を追い抜いたとするメディア報道もある(1月18日付Bloomberg)。
筆者は2月上旬にインドへ出張する機会を得て、首都デリーや多くの日系企業が拠点を構えるグルグラム(旧称グルガオン)を訪問した。いずれの街も、コロナ禍をすっかり忘れたかのような人出やクラクションを鳴らしながら先を争って走るクルマの流れなど、活気に満ちあふれており、「世界一の勢い」を目の当たりにした。本稿では、現地視察やエコノミストなどとの議論の中で得た話を織り交ぜながら、インド経済成長の具体像を紹介したい。